おすすめ電子カルテ3選!クリニック向けの選び方や導入メリットも紹介

電子カルテ

おすすめの電子カルテクリニック向け

厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると令和2年の時点で電子カルテを導入しているクリニックは49.9%です。平成20年では14.4%であり、年々増えていることがわかります。これから、電子カルテを導入したいと考えているクリニックも多いでしょう。しかし、電子カルテにはさまざまな機種があり、どれを選べばよいか迷いますよね。

そこで、本記事ではクリニックが電子カルテを選ぶ際のポイントや導入のメリット、おすすめの電子カルテについて紹介します。記事を読むことで、クリニックに最適な電子カルテを選べるでしょう。ぜひ参考にしてください。

電子カルテ導入時には必須!クリニック向けの選び方のポイント5選

電子カルテ導入時には必須!クリニック向けの選び方のポイント5選

電子カルテの導入を考えた際に、どの機種にしようか迷いますよね。機種の選定も必要ですが、どのような機能が搭載された機種を選ぶか決めておきましょう。何よりもクリニックの導入目的に沿った電子カルテを選定することが重要です。

まず、クリニック向けの電子カルテの選び方のポイントです。

  • 記入作業の効率性
  • 地域の医療機関との連携
  • 他の機能との連携
  • データの安全性
  • 価格

それぞれについて詳しく説明します。

記入作業の効率性

記入作業が効率よくできるかは、機種を選ぶ際に重要なポイントです。業務の効率性を求めて電子カルテを導入するため、使いやすくなければ意味がありません。紙カルテに比べ、カルテの記入作業がスムーズにおこなえるようになる機種を選ぶことが大切です。いくつかの機種を試験的に操作し、現場スタッフの意見を取り入れながら選ぶことをおすすめします。

地域の医療機関との連携

周辺地域の医療機関と連携を考えた機種選びをおこないましょう。他の医療機関などが使用している電子カルテと連携できると、患者の情報を共有して確認が可能です。例えば、患者の情報を共有できると、患者を紹介する際の紹介状やサマリの作成が不要になり、詳細な情報も確認しやすくなります。スムーズに情報を交換することで、地域の治療機関との連携が強まるでしょう。

他の機能との連携

レセコンなど他の機能と連携することは、電子カルテの導入でかかせないポイントです。電子カルテ上で、画像の確認や会計業務などができると、業務の効率化が大幅に図れます。そのため、既存のシステムやこれから導入する予定のシステムと連携を考慮した機種を選ぶことをおすすめします。

データの安全性

データの安全性がしっかり確保される機種を選ぶことは重要です。電子カルテには、サイバーテロによる情報漏洩などの危険性があります。そのため、セキュリティ面の機能を確認することは大切です。また、火事などの災害時におけるサポート体制も確認しておくと良いですよ。

安全性の確保が必要な理由を「電子カルテへのサイバー攻撃の原因と対策を理解しておこう!」でも解説しています。参考にしてください。

価格

導入時の費用も選ぶ際のポイントです。導入目的を達成できる機種が予算内で利用できるか確認します。費用対効果も考えながら、経営に負担のない範囲で選ぶとよいですよ。

電子カルテの導入費用や相場に関しては「電子カルテの導入費用・相場を徹底解説!コストを抑えるコツも紹介」でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

電子カルテをクリニックが導入するメリット6つ

電子カルテをクリニックが導入するメリット6つ

電子カルテのメリットには下記のようなものがあります。

  • 記入作業がスムーズになる
  • カルテの受け渡しが不要になる
  • 地域の医療機関と連携しやすい
  • 医療ミスが減る
  • 患者の状態を把握しやすい
  • カルテの保管場所が必要ない

電子カルテを導入することで、自分のクリニックでどのようなメリットがあるか把握しておきましょう。

記入作業がスムーズになる

カルテを記入する作業がスムーズになり、カルテを扱う時間を短縮できます。他の医療機関への紹介状や診断書などの各種書類、処方のオーダーなどテンプレート機能を使うことで、簡単な操作で作成できます。手書きと比べ、大幅に作業の負担を減らせるでしょう。その結果、患者の待ち時間の短縮にもなり、患者サービスの向上にもつながります。

カルテの受け渡しが不要になる

カルテの受け渡し作業が不要になります。紙カルテの場合、診察室から検査室や受付が離れていると、カルテを受け渡す作業が必要です。パソコンやタブレットさえあれば、どこにいてもカルテの情報を見ることができます。また、カルテを受け渡す作業はなく、カルテがまわってくるのを待つこともなくなります。どこにいても情報を確認できるのは、電子カルテのメリットです。

地域の医療機関と連携しやすい

地域の医療機関とリアルタイムに患者の情報を共有でき、連携しやすくなります。患者のアレルギー情報や既往歴の情報の共有はもちろん、重複して薬を処方されたり、同じ検査を繰り返しおこなったりすることが未然に防げます。情報を共有することで患者に最適な治療を提供できるでしょう。

今後も電子カルテの普及は見込まれます。地域で連携体制がつくられたときに対応しやすいように、早めに導入することがおすすめです。

医療ミスが減る

手書きの文字を読み間違うことが少なくなり、医療ミスを減らせます。紙カルテであると、クセがある文字では読みにくいことがあるでしょう。電子カルテであれば読みにくいという心配はなく、情報を正確に伝達しやすくなり、ミスを減らせます。また、薬剤の処方間違いをチェックする機能がついている機種もあるため、処方の間違いなども減らすことが可能です。

患者の状態を把握しやすい

既往歴などの患者の状態を把握しやすくなります。紙カルテの場合、患者によってはカルテが何冊にも及ぶことがあり、以前の情報を確認するのに探す手間がかかります。電子カルテであれば、情報を探す手間が省け、簡単に確認することが可能です。すぐに患者の情報を確認できるので、診療をスムーズにおこなえます。

カルテの保管場所が必要ない

紙カルテを保管するスペースが不要になります。紙カルテの悩みの原因のひとつが保管場所です。患者数が多くなると、それだけカルテの置き場が必要になります。カルテは5年間保存するという法律もあるため、処分することもできません。保管スペースを確保しにくいクリニックでは、カルテの保管場所は悩みの種でしょう。電子カルテであれば、パソコンを置くスペースさえ確保できれば、保管場所に悩まなくてすむでしょう。また、空いたスペースを有効活用することも可能です。

紙カルテから電子カルテに移行!クリニックがおこなう導入時の流れ

紙カルテから電子カルテに移行!クリニックがおこなう導入時の流れ

 

ここでは、電子カルテ導入の一般的な流れを説明します。クリニックによって差がありますが、少なくても本格的に使用するまでに半年ほど時間がかかるでしょう。クリニックの開設までに間に合わせたいなど、期間が決まっている場合は早めに取りかかることをおすすめします。

電子カルテの機種を選ぶ

まずはじめに、電子カルテの機種を選びます。いくつかのメーカーに問い合わせ、見積もりや機能を比較し、クリニックにあった機種を選びましょう。無料で試用できる電子カルテもあるので、気になる機種を使ってみることをおすすめします。

紙カルテのデータを移行する

導入する機種が選定できたら、紙カルテのデータを電子カルテに移行する作業があります。料金を払うことで業者にデータの移行を頼むことも可能です。事前にメーカーに問い合わせておきましょう。

試験的に運用をはじめる

本格的に始動する前にまずは試験運用です。試験運用の期間にスタッフへの説明会や研修会をおこない、使い方を覚えていきましょう。使い慣れないスタッフもいるため、試用期間にしっかり練習しておくとよいですよ。

本格的に運用をする

試用期間が終了すると、いよいよ本格的に運用していきます。本格的な運用の開始後、試験運用で練習していてもスムーズに使えないことも多いです。実際に使用することでトラブルも発生する可能性があります。そのため、メーカーのサポートが受けられるか事前に確認しておくとよいでしょう。サポートが受けられる場合、スムーズに使い続けるために些細なことでも質問しておくとよいですよ。

電子カルテおすすめ機種3選!クリニック向けを紹介

電子カルテおすすめ機種3選!クリニック向けを紹介

ここまで電子カルテの選定ポイントなどを説明してきました。いよいよどの機種にするか選んでいきましょう。

クリニック向けのおすすめの機種は以下の3つです。

  • CLINICSカルテ(株式会社メドレー)
  • エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)
  • きりんカルテ(ウィーメックス株式会社)

それぞれの機種の特徴を紹介します。

CLINICSカルテ(株式会社メドレー)

患者向けのアプリも搭載している電子カルテです。患者はアプリを使用し、診察の予約、オンライン診療、キャッシュレス決済が可能となります。また、経営分析の機能も標準で搭載されているのも特徴です。初期費用やランニングコストを安く抑えることができるクラウド型電子カルテのひとつです。

「オンプレミス型」に比べ安く導入できる「クラウド型」。クラウド型電子カルテについて詳しく知りたい方は「クラウド型電子カルテのメリット・デメリットを紹介」を参考にしてください。

エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)

AIが搭載されたクラウド型の電子カルテです。他の機器と連携しやすく、80社以上の外部の検査センターとも連携が可能です。検査データをすぐにカルテに反映できるため、業務が効率的におこなえます。また、休日も問い合わせに対応してくれるなどのサポート体制も充実してます。

きりんカルテ(ウィーメックス株式会社)

初期費用が無料の電子カルテです。有料に比べ機能が少ないですが、シンプルで使いやすいクラウド型電子カルテです。予約機能や在宅機能も搭載しています。手書き入力機能もあるため、タイピングが苦手な方やはじめて電子カルテを導入する場合におすすめです。また、カルテと連携した専用のアプリもあるので、診療で撮影した写真をカルテに簡単に取り込めます。

アプリが搭載された電子カルテを他にも知りたい方は「【最新版】電子カルテアプリで業務の効率化!おすすめのアプリ10選!」も読んでください。

まとめ

おすすめの電子カルテ、クリニック向けを紹介

本記事では、クリニックが導入する際の電子カルテの選び方や導入のメリット、導入後の流れ、おすすめの機種について紹介しました。年々、普及が広まっている電子カルテ。今から導入を考えているクリニックもあるでしょう。電子カルテにはさまざまな種類があり、それぞれ機能が異なります。選ぶ際に大切なことは、導入目的に合っているかです。目的に沿った機種であるかしっかり検討し選ぶことで、より効率的に業務がおこなえ、患者サービスや医療の質の向上につながるでしょう。

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