「医療機器卸へ転職を成功させるにはどうしたらいい?」と考えている人はいませんか?
医療機器卸とは、医療機器メーカーと医療機関の仲介役となり医療機器を販売する企業です。少子高齢化などにより需要が拡大している医業業界で、医療機器卸への転職を考えている人も少なくないでしょう。
この記事では、医療機器卸への転職を成功させるために下記について解説します。
- 医療機器卸について
- 医療機器卸の売上高ランキング
- 医療機器卸市場の動向や将来性
- 医療機器卸で求められる人材
医療機器卸に転職するためには業界について詳しく知っておく必要があります。記事を読むことで、医療機器卸について詳しく分かり、求められる人材についても知れるため、ぜひ最後まで読んでください。
医療機器卸とは?
まずは医療機器卸について説明します。企業について知っておくことは、転職活動で重要です。
- 医療機器卸の役割
- 医療機器卸の顧客
- 医療機器卸が取り扱う商品
- 医療機器卸の仕事内容
上記の点について理解し、転職活動に臨みましょう。
医療機器卸の役割
医療機器卸の役割は、医療機関が必要とする医療機器を供給することです。医療機器がなければ、医師や看護師が揃っていても最適な医療を患者さんに提供できません。そのため、医療機器卸は医療機関が必要とする医療機器をメーカーから取り寄せ、医療機器を販売します。また、緊急時にも医療機器が不足しないような体制をとることも役割です。
医療機器卸の顧客
医療機器卸の顧客はすべての医療機関です。病院だけでなく、クリニックや訪問看護ステーション、介護施設などへも医療機器を販売します。また、同業の医療機器卸へも販売をおこなうことがあります。
医療機器卸が取り扱う商品
医療機関が使用するものの多くが、医療機関卸が扱う商品になります。シリンジやカテーテル、ドレーンなどの医療材料から、CTやX線画像、MRIなどの医療機器などさまざまです。
医療機器卸の仕事内容
医療機器卸は医療機器の販売以外にも下記のような仕事をしています。
- 医療機器メーカーの代わりとして営業する
- 医療機関の在庫を調整する
- 新たな医療機器を提案する
- 医療機器の配送をする
それぞれについて解説します。
医療機器メーカーの代わりとして営業する
医療機器を販売するために営業をおこないます。医療機器メーカーが直接、医療機関へ販売することもありますが、医療機器卸の会社が仲介役をして医療機器の販売をします。
とくに、開発を中心にしている医療機器メーカーの中には営業や販売を不得意とする企業も少なくありません。そのため、医療機関とつながりが強い医療機器卸が営業をし、医療機器を販売します。
医療機関の在庫を調整する
医療機関の在庫を管理することも医療機器卸の仕事です。定期的に医療材料などの確認をし、使用状況を確認します。そして、使用期限が切れていたり、あまり使われなかったりする医療機器を報告し、それぞれの医療機関にあった在庫数に調整します。そのため、医療機関は日頃の業務だけでなく緊急時も支障なく医療を提供できるのです。
新たな医療機器を提案する
新しい医療機器を医療機関に提案することも役割のひとつです。医療機器メーカーから新しい製品があった場合、医療機関に製品を紹介します。また、新製品だけでなく、医療機関のニーズに合わせた製品も提案します。
医療機器の配送をする
医療機器の配送も医療機器卸の仕事です。医療機関に供給している医療機器が不足すると、配送して医療機器を届けます。医療機器卸によっては各地に医療機器を保管する自社の倉庫をもち、緊急時に供給が途切れないようにしています。
医療機器卸業者の売上高ランキング一覧20選
医療機器卸の売上高ランキングを紹介します。
順位 | 企業名 | 売上高(百万円) |
1位 | シップヘルスケアホールディングス | 572,285 |
2位 | フォレストホールディングス | 482,237 |
3位 | ほくやく・竹山ホールディングス | 261,979 |
4位 | メディアスホールディングス | 239,054 |
5位 | オルバヘルスケアホールディングス | 110,472 |
6位 | アズワン | 91,421 |
7位 | ウイン・パートナーズ | 70,854 |
8位 | ヤマシタヘルスケアホールディングス | 58,195 |
9位 | 日本ライフライン | 51,750 |
10位 | ディーブイエックス | 47,483 |
11位 | 歯愛メディカル | 42,891 |
12位 | 川本産業 | 30,403 |
13位 | レオクラン | 26,632 |
14位 | コーア商事ホールディングス | 22,052 |
15位 | 日本エム・ディ・エム | 21,307 |
16位 | コラントッテ | 5,406 |
17位 | セルソース | 4,510 |
18位 | ソレイジア・ファーマ | 1,092 |
19位 | デンタス | 897 |
20位 | サイフューズ | 374 |
参照:各企業の収益計算書(2023年)
医療機器卸市場の動向や将来性とは?
医療機器卸へ転職を考えている人は、企業の現在の動向や将来性が気になるところでしょう。医療機器業界には下記のような特徴があります。
- 医療機器卸の市場は広まっている
- 地域に根づいている
- 厚生労働省の影響を受ける
- 営業スキルが高い人材を求めている
- 大手企業によるM&Aが盛んにおこなわれている
転職先の医療機器卸を探すときの参考にしてください。
医療機器卸の市場は広まっている
少子高齢化の影響などで医療機器業界は需要が高まっているため、医療機器卸も市場が広まっています。医療機器にもAIが活用されており、今後も市場は広がるでしょう。
しかし、国は医療費の増大を問題視しており、医療費を抑制する方向で動いています。そのため、医療費の抑制等が、医療機器業界の広まりを抑える懸念点になる可能性があります。
地域に根づいている
地域に根づいている医療機器卸の企業は多いです。それぞれの地域のニーズに合わせた医療機器の提案をしているため、地域の医療機関と密な関係をつくっていることが少なくありません。
厚生労働省の影響を受ける
医療機器卸は厚生労働省の影響を受けやすい業界です。人の命にかかわる製品も扱っているため、安全性を確保するために国からさまざまな規制が設けられています。例えば、製品の販売価格や取り扱いの点数です。そのため、事業拡大の戦略を考えても自由におこなえません。
営業スキルが高い人材を求めている
医療機器卸は医療機器の販売がおもな業務であるため、営業スキルが高い人材を求めています。医療機器の場合、性能が良い製品、新しい製品というだけでは医療機関は購入してくれません。使い慣れている医療機器を変えることに、抵抗があるためです。使い慣れていない医療機器を使用することはトラブルのリスクが高まるため、医療従事者はすぐに医療機器を変えません。
そのため、販売が難しい医療機器を購入してもらえるように、医療機器卸は営業スキルの高い人材を求めているのです。
大手企業によるM&Aが盛んにおこなわれている
医療機器卸の業界はM&Aが盛んにおこなわれている業界です。M&Aが盛んにおこなわれている理由は、売り手側、買い手側それぞれにメリットが多くあるためです。売り手側、買い手側のメリットについて下記にまとめます。
売り手側のメリット | 買い手側のメリット |
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医療機器卸の業界は競争が激化しているため、中小企業の買収や企業同士の合併が積極的におこなわれています。
医療機器卸で求められる人材は?
医療機器業界は安定しており、今後も需要が高まると考えられる業界であるため、医療機器卸も人気の職業です。ここでは、医療機器卸への転職を考えている人向けに、求められる人材について紹介します。
- コミュニケーションスキルのある人
- 医療業界の知識がある人
- 営業スキルのある人
転職を成功させるためには、上記の強みを持てるようにするとよいでしょう。
コミュニケーションスキルのある人
初対面の相手に対しても、好印象を持たれるコミュニケーションスキルが医療機器卸では求められます。医療機関のニーズを把握するために、話すことだけでなく、聞く力を持っておくことも必要です。もちろん対面のコミュニケーションだけでなく、電話やメールなどでも正しいマナーを身につけておきましょう。
医療業界の知識がある人
医師や看護師、放射線技師などとコミュニケーションをとるため、医療業界の知識を持っている人が求められます。専門職ほどの知識を持つことは難しいですが、自社が取り扱っている製品や関係する医療知識については、理解しておくとよいです。医療機器卸へ転職を考えている人は、医療業界や転職先の企業についてしっかり企業研究しておくことをおすすめします。
営業スキルのある人
前述したように、医療機器卸で働くには営業スキルを身につけておくことが重要です。
営業スキルとは以下のようなものです。
- コミュニケーションスキル
- 聞く力
- 交渉能力
- 問題解決能力
- タイムマネジメントスキル など
相手のニーズに合わせてプレゼンテーションなどをおこない、製品を販売していきます。前述したように、医療機器の販売は簡単ではありません。それでも販売できる営業のスキルが医療機器卸では求められます。
まとめ
この記事では、医療機器卸への転職を考えている人に向け、医療機器卸の仕事内容や売上高が高い企業、求められる人材について紹介しました。
国の医療費抑制の政策により、市場の広がりが抑えられる懸念がありますが、積極的におこなわれているM&Aなどにより、まだまだ成長が見込まれる業界のひとつです。間接的ですが、医療機器卸は「患者さんの命を助ける」存在でもあります。
成長が見込まれる企業で、患者さんを助けるというやりがいを持てる医療機器卸に転職を考えている人は、記事を参考にして転職を成功させてください。