【一覧付き】医療機器の分類って?4つのクラスと許可申請について解説

医療機器

医療機器の分類や規則って難しいですよね。そもそも医療機器って何?という人も少なくありません。

この記事では、以下の点をわかりやすく解説します。

  • 医療機器の分類
  • クラス分け一覧
  • 医療機器の確認方法
  • 医療機器の許可申請に伴う規制について

自分が扱う機器が医療機器かどうかを確認したい人、医療機器の分類一覧をお探しの方に有益な情報となっております。

ぜひご覧ください。

医療機器って何?

初めに、医療機器についての定義を確認しておきましょう。

医薬品や医療機器などの品質や有効性、安全性の確保による保健衛生の向上を図ることを目的とした法律を参考にします。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。通称、「薬機法」「医療機器等法」と呼ばれます。

上記の法律によると、医療機器の定義は以下のように定められています。

医療機器とは(薬機法第2条第4項)
人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、または人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具であって、政令で定めるもの。

イメージしやすい身近な医療機器の例としては、下記のようなものが挙げられます。

・ コンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズも含む)
・ 絆創膏
・ 体温計
・ 家庭用マッサージ器

一方、気を付けなければならない機器もあります。トレーニングマシーンやフィットネス用具などです。一見、身体の構造や機能に影響を及ぼしそうですよね。しかし、健康器具や運動器具は、医療機器には含まれません

法律の言葉だけを読んで医療機器かどうかを判断するのは非常に難しいため、正しい方法で確認する必要があります。

追って解説するので、まずは分類について見ていきましょう。

医療機器の分類一覧

ここからは、日本の薬機法で定められている医療機器の分類について、次の項目に沿って解説します。

  • 4つのクラスについて
  • 医療機器のクラス分類一覧
  • 特定保守管理医療機器について

まずは、医療機器の4つのクラスについて見ていきましょう。

4つのクラスについて

医療機器は、薬機法に基づき、その製品が与えるリスクの程度に応じて以下の3つに分類されています。

  • 一般医療機器
  • 管理医療機器
  • 高度管理医療機器

上記3つの分類は、医療機器規制国際整合化会議GHTF (Global Harmonization Task Force) にて定められたルールを参考にして、日本の厚生労働省によりさらに細かい4つのクラス分けがされています。

  • 一般医療機器(クラスⅠ)
  • 管理医療機器(クラスⅡ)
  • 高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ)

クラスⅠからⅣになるに連れて、リスクが高くなっていきます。

副作用や機能の障害が発生した場合にも、生命や健康に影響を与える恐れがないと判断された医療機器は、最もリスクが低い一般医療機器(クラスⅠ)に指定されるようです。

一方、副作用や機能の障害が発生した場合に生命や健康に重大な影響を与える恐れがあると判断された医療機器は、最もリスクが高い高度管理医療機器(クラスⅢまたはクラスⅣ)に分類されます。

また、管理医療機器(クラスⅡ)の中には、以下の医療機器に指定されているものがあります。

  • 指定管理医療機器:認証基準があるもの
  • 特定管理医療機器:家庭で使用される管理医療機器かつ指定管理医療機器以外のもの

このリスク別クラス分類に応じて、医療機器を販売・貸与する場合の許可や届出の規則が異なります

医療機器のクラス分類

ここで、上記で挙げた医療機器の分類とクラスを一覧表にまとめてみます。
薬機法の分類に則ってリスクが低い順に並べており、下に行くにつれて生命の危険に関わる高リスクな分類となります。

医療機器の例も載せているので、ぜひ参考にご覧ください。

薬機法分類 リスク クラス分類 医療機器の例
一般医療機器 クラス I

不具合が生じた場合でも人体への影響が小さい

メス、ガーゼ、脱脂綿、ギプス、家庭用救急絆創膏、注射針、血圧計、聴診器、X線フィルム、手術用不織布 など
管理医療機器 クラス Ⅱ

不具合が生じた場合でも生命の危険に直結する可能性は低い

電子体温計、電子式血圧計、注射針、採決針、家庭用電気マッサージ器、補聴器、歯科用合金ろう、コンドーム など
高度管理医療機器 クラス Ⅲ

不具合が生じた場合の人体への影響が大きい

コンタクトレンズ、人工骨、輸血ポンプ、人工心肺装置、人工呼吸器、人工角膜、成分採血装置 など
クラス Ⅳ

不具合が生じた場合、生命の危険に直結する恐れがある

ペースメーカー、人工心臓弁、人工血管、中心静脈カテーテル、PTCAカテーテル、冠動脈ステント など

特定保守管理医療機器

上記の医療機器の分類に関わらず、保守点検・修理その他の管理に専門的な知識および技能を必要とする医療機器は、厚生労働省によって「特定保守管理医療機器」に指定されます。

特定保守管理機器は、リスクの分類に関わらず、適切に管理されなかった場合、疾病の診断・治療・予防に重大な影響を与える恐れがあるとされているものです。

特定保守管理医療機器の例として、X線診断装置、MRI装置、超音波画像診断装置、脳波計、減菌器などが挙げられます。

一般医療機器では182品目、管理医療機器では693品目、高度管理医療機器では327品目が特定保守管理医療機器です。

また、特定保守管理医療機器の中でも設置に当たって組み立てが必要かつ保健衛生上の危害の発生を防止するために組み立てに係る管理が必要な医療機器は、「設置管理医療機器」に指定されます

設置管理医療機器を扱う製造販売業者は、設置を行う前に「設置管理基準書」を作成し、販売・賃貸業者や修理業者に交付しなければなりません。

医療機器の確認方法

取り扱う製品が医療機器なのかどうかや、お取り扱いの医療機器のクラス分類については、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)のHPから確認ができます。
PMDAのHPはこちら:https://www.std.pmda.go.jp/stdDB/index.html

ここでは、それ以外の医療機器の確実な確認方法を2点お伝えします。

メーカーに問い合わせる

医療機器かどうかを知る確実な方法は、メーカーや製造販売業者に問い合わせることです。
これから取り扱う予定の医療機器がある場合は、事前に確認しておきましょう。

製品の表示を確認する

医療機器の場合、製品の本体や包装に「医療機器」という表示があります。

また、クラス分類ごとに、一般医療機器(一般)、管理医療機器(管理)、高度管理医療機器(高度)のいずれかも記載されています。

クラス分類とは別に、特定保守管理医療機器(特管)の記載がある場合もあるため注意して見てみましょう。

医療機器の規制について

医療機器を販売・貸与する際には、取り扱う医療機器のクラス分類に応じて許可や届出が必要です。
ここからは、クラス分類ごとの規制についてお伝えします。

一般医療機器

特定保守管理医療機器に指定されている一般医療機器を除き、一般医療機器(クラスⅠ)の取り扱いには、販売・貸与を行うための許可や届出が不要です。

管理医療機器

管理医療機器(クラスⅡ)を取り扱う場合、管理医療機器販売業・貸与業の届出を行う必要があります。

認証基準がある場合は、認証基準に基づき第三者認証機関による認証を受けてください。

認証基準がない、もしくは認証基準に適合しない品目については、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の承認審査が行われます。

高度管理医療機器

高度管理医療機器(クラス Ⅲ、 Ⅳ)を取り扱う場合、高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可が必要となり、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の承認審査が行われます。

認証基準があるため、認証基準へ適合する場合は、認証基準に基づき第三者認証機関による認証を受けましょう。

製造販売承認申請の区分

クラスⅡ、Ⅲ、Ⅳの取り扱い時に必要な認証基準・承認申請について解説します。

医療機器取り扱いの承認審査を行うPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)は、医療機器の製造販売承認申請の区分を下記の通り定めています。

①新医療機器
既承認医療機器(既に製造販売の承認を与えられている医療機器)と、構造・使用方法・効果および性能が明らかに異なる医療機器に関する製造販売承認申請

②改良医療機器(臨床あり)
新医療機器等、もしくは後発医療機器のいずれにも該当しない医療機器に関する製造販売承認申請

③改良医療機器(承認基準なし・臨床なし)
新医療機器等、もしくは後発医療機器のいずれにも該当しない医療機器に関する製造販売承認申請。ただし、臨床試験成績に関する資料の添付が不要の品目に限ります。

④後発医療機器(承認基準なし・臨床なし)
既承認医療機器と、構造・使用方法・効果および性能が実質的に同等である医療機器に関する製造販売承認申請。ただし、臨床試験成績に関する資料の添付が不要の品目に限ります。

⑤後発医療機器(承認基準あり・臨床なし)
既承認医療機器と、構造・使用方法・効果および性能が実質的に同等である医療機器であり、承認基準に適合する医療機器に関する製造販売承認申請。ただし、臨床試験成績に関する資料の添付が不要の品目に限ります。

品目について

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第23条2の23の規定に基づき認証された品目は、以下のPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)HPより確認できます。

認証品目リスト:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0026.html

また、新医療機器として認証された品目の一覧についても、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)HP内の以下のURLより見ることが可能です。

新医療機器の承認品目一覧:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/devices/0018.html

まとめ

医療機器は、薬機法によって細かく分類されています。また、リスクの程度に応じたクラスごとに認証・承認審査が必要です。

そのため、初めて医療機器を取り扱う人は難しく感じるかもしれません。

しかし、厚生労働省やPMDAからきちんと情報を得れば、必要な手続きが出来ます

ぜひこの記事を参考にして、お取り扱いの機器について調べてみてください。

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