「医療機器メーカーへ転職したい」「年収の高い医療機器メーカーで働きたい」と考えていませんか?
医療機器メーカーへの転職を考える際に気になることが「年収」ではないでしょうか。医療分野の仕事の未経験者でも医療に貢献できる仕事であり、医療機器メーカーは人気の転職先のひとつです。
そこで、この記事では下記について説明します。
- 医療機器メーカーの平均年収ランキング
- 医療機器メーカー職種別の年収
- 転職・就職活動に役立つ能力
- 医療機器メーカーの将来性
- 医療機器メーカー勤務で年収1,000万円目指すコツ
- 転職を成功させるポイント
医療機器メーカーの転職で年収アップを望んでいる方はぜひ最後までお読みください。
医療機器メーカーの平均年収ランキング
医療機器の開発や製造、研究、販売などをする企業が医療機器メーカーです。扱う製品は、手術などで使用するメスなどの小さな器具から、CT・MRI、内視鏡など大型の機器などさまざまです。そして、世界中に多くある医療機器メーカーは、企業によって年収に大きな差があります。
ここでは、下記について紹介します。
- 日本の主要医療機器メーカー年収ランキング
- 外資系医療機器メーカーと日本のメーカーの年収比較
- 高収入な医療機器メーカー
医療機器メーカーで転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
医療機器メーカーの年収を知る前に医療機器の定義について知りたい方は「医療機器の定義ってなに?4種類に分類しながら解説!」を読んでください。
日本の主要医療機器メーカー年収ランキング
まず日本の主要な医療機器メーカーの年収をランキングで紹介します。下記の表は各社の有価証券報告書・決算短信をもとに作成された2023年のランキングです。
企業名 | 平均年収 |
ソニーG | 1,102万円 |
大塚HD | 1,041万円 |
富士フイルム | 1,017万円 |
PHCHD | 981万円 |
オリンパス | 965万円 |
オムロン | 899万円 |
日立製作所 | 897万円 |
日本光電工業 | 892万円 |
日本ライフライン | 852万円 |
シスメックス | 843万円 |
日本の医療機器メーカーの年収トップ10を紹介しました。CTやMRI、内視鏡システムを販売しているメーカーや一般家庭でも使用される体温計や血圧計を販売している企業など、それぞれの製品で広いシェアを占める企業です。
外資系医療機器メーカーと日本のメーカーの年収比較
外資系医療機器メーカーに勤めると大幅な年収アップができるのではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。ここでは、日本の大手医療機器メーカーの年収と外資系医療機器メーカーの年収を比較してみましょう。
下記は大手の外資系医療機器メーカーの平均年収です。
企業名 | 平均年収 |
ゼネラル・エレクトリック | 1,067万円 |
日本メドトロニック株式会社 | 966万円 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 | 850万円 |
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 | 838万円 |
株式会社フィリップス・ジャパン | 723万円 |
一部の日本の大手医療機器メーカーでも年収1,000万円以上であり、外資系医療機器メーカーの年収とそれほど差はないようです。
しかし、業種全体の平均年収を比べると差があります。国内の業種全体の平均年収は約550万円で、外資系医療機器メーカー全体の平均年収は日本に比べ、約250万円〜460万円高いです。
高収入な医療機器メーカー
日本の医療機器メーカーで高収入を得るためには大手企業へ就職がおすすめですが、外資系企業であると大手でなくても高収入を得られる可能性が高いです。
日本の企業で高収入を得られる医療機器メーカーはソニーG、大塚HD、富士フイルムで、外資系企業では、ゼネラル・エレクトリック、日本メドトロニック株式会社、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社です。
職種やポジションによって年収は大きく変わります。また、外資系企業の場合は、能力が年収に反映されやすいです。とくに、インセンティブの報酬が日本企業と大きく異なります。日本企業では、インセンティブによって10万円単位ほどしか年収がアップしにくいですが、外資系の場合は100万円単位でアップすることも少なくありません。そのため、外資系医療機器メーカーは会社の平均年収が高くなくても、自分の努力次第で高収入を得ることが期待できます。
医療機器メーカー職種別の年収を紹介
医療機器メーカー全体の平均年収は他の業種に比べ高い傾向ですが、職種によって差があります。
ここでは医療機器メーカーの職種と平均年収について紹介します。
営業職
営業職の平均年収は350万円〜600万円です。企業によってはインセンティブ制度があり、業績が良いとさらに年収が高くなる可能性があります。とくに外資系の医療機器メーカーでは能力が給与に反映されやすく、1,000万円以上稼ぐこともあるようです。
医療機器メーカーの営業職は、病院やクリニックなどに必要な医療機器を提案し、販売する仕事です。営業職の主な仕事を下記に紹介します。
- 製品の説明やプレゼンテーション
- 資料の作成
- 消耗品の配達
- アフターフォロー
- 新たな製品の提案
- 製品の勉強会
手術や検査に立ち会い、医師や看護師などに製品の使い方を説明することもあります。
サービスエンジニア
サービスエンジニアの平均年収は450万円〜600万円です。昇進することで、年収が1,000万円以上になることもあります。
サービスエンジニアは、技術の専門家です。未経験者でもサービスエンジニアの仕事に就くことはできますが、電気や工学の経験がある方、とくに臨床工学技士は待遇面が良い場合があります。
病院やクリニックに出向き、医療機器に関する下記のような仕事をします。
- トラブル時の対応
- メンテナンス
- 導入や設置
顧客と関わることが多いため、製品に関する専門的な技術だけでなく、顧客と信頼関係を築くことも求められる仕事です。トラブル発生時には、スピーディーで的確な対応が求められます。
事務職
事務職の平均年収は、312万円〜850万円です。企業をサポートするバックオフィスの仕事で、運営を支える重要な役割です。
事務職には主に下記のような仕事があります。
- 総務
- 経理
- 人事
- 取引先との調整
- 会議やイベントなどの調整
- 製品やプロジェクトに関する文書作成やデータ分析
- 電話や来客対応
企業によって異なりますが、多岐にわたる業務を担当します。事務職は組織の中心で、スムーズな業務進行と他職種のサポートをする重要なポジションです。
品質管理
品質管理の平均年収は450万〜600万円です。マネージャー以上になると800万円以上、企業によっては2,000万円以上になることもあります。
医療機器メーカーの品質管理は、自社の製品の品質を確かめます。
- 薬事対応(薬事許認可の申請や管理)
- 医療機器に関する申請業務
- パッケージ、広告表示の適合性チェック
- 製品設計や工程の管理
- 工場に対する品質管理に関する監査・指導
- 品質不良発生時の原因調査・再発防止対策立案
製品を作るときのルールや基準を守りながら、製造過程を確認し、検査をして製品の安全性を確認します。
プロダクション
プロダクションは、平均年収450万円〜600万円です。マネージャーになると800万円以上、ディレクターだと1,200万円以上になります。なかには2,000万円以上の年収の方もいるようです。
医療機器メーカーのプロダクションの主な仕事は下記のとおりです。
- 新製品企画
- 製品の研究・開発
- 販売支援
医療の動向も把握し、現場の要望を聞き、最新の医療機器を開発する仕事です。開発には医師や医療機関と共同で開発することもあります。
医療機器メーカー勤務で高年収は難しくない!転職・就職活動に役立つ能力5選
医療機器メーカーの転職や就職活動では主に下記の能力が役に立ちます。
- コミュニケーション能力
- 医療機器に関する専門的な知識
- 語学力
- 普通自動車免許
- 国家資格
能力をアピールして、転職・就職活動を有利に進めていきましょう。
コミュニケーション能力
医療機器メーカーにおいては、コミュニケーションスキルが不可欠です。顧客と良好なコミュニケーションをとり信頼関係を築くことで、商品やサービスの受け入れにつながります。また、コミュニケーションを通し、顧客ニーズの聞き出し、ニーズに合わせた提案をします。
とくに、営業職やサービスエンジニアは、医療機器に慣れていない看護師などに製品の扱い方を説明する機会が多いです。説明不足はトラブルの原因にもなるため、丁寧に分かりやすく伝えなければいけません。さらに、顧客だけでなく企業内でもコミュニケーション力は求められます。多くの職種がチームとなり、製品をつくり販売するため、良好な関係を築くことが大切です。
医療機器に関する専門的な知識
医療機器メーカーでの転職には専門知識が欠かせません。まず、製品の複雑性や医療の進歩に対応するために、専門的な技術の理解が求められます。また、医療規制や品質基準に関する深い知識がなければ、製品の開発や承認プロセスを円滑に進めることは難しいでしょう。顧客である医師などとの良好なコミュニケーションも重要であり、専門用語を理解することが不可欠です。
また、市場競争が激しい中で、競合他社の動向や最新技術をいち早く察知することが重要となります。そのため、医療機器メーカーでの転職では、専門知識の習得が重要であり、入職後のキャリアアップにもつながります。
語学力
医療機器メーカーの転職において、企業によって語学力は重要です。グローバルな市場で活動する企業が多く、製品の開発やマーケティングにおいて国際的なコミュニケーションが求められます。
製品の取引先や協力先が世界中に広がる中、ビジネス上のやりとりや契約書の作成においても語学力をつかいます。国際的なプロジェクトに関わる場合、海外の専門家とのコミュニケーションが欠かせません。そのため、語学力は医療機器メーカーでの転職で有利になり、語学力を活かし仕事の幅を広げられます。
普通自動車免許
医療機器メーカーに転職する際は、普通自動車免許の取得が必須なことが多く、とくに営業職では不可欠になります。普通自動車免許が必要な理由は、医療機器を運んだり、交通機関の少ない医療機関に行ったりするためです。普通自動車免許を持っていてもふだんほとんど運転しない方は、安全に運転できるようにしておくとよいでしょう。
国家資格
医療機器メーカーへの転職では国家資格は必要ないですが、下記のような仕事をしている方は転職しやすいです。
- 臨床工学技士
- 臨床検査技師
- 看護師
- 医師
- 放射線技師
- 言語聴覚士
上記の資格を取得していると医療機器メーカーに就職しやすい理由は下記のとおりです。
- 医療機器の取り扱いに慣れている
- 専門知識がある
- 専門用語を理解できる
- 医療現場のニーズを把握しやすい
医療機器を業務で使用した経験が、医療機器メーカーで就職した際に役に立ちます。医療機器に関しての知識は備えているため、即戦力になることも少なくありません。
医療機器メーカーの年収を左右する将来性について解説
転職する際に気になることは、就職する企業の展望ではないでしょうか。ここでは、医療機器産業の実態と将来性について解説します。
医療機器産業の実態
医療機器産業は急速に進化しており、技術の発展が医療現場に大きく貢献しています。厚生労働省の「医薬品・医療機器産業実態調査」からも分かるように医療機器メーカーは売り上げを伸ばしている業界です。
医療機器は病院やクリニックで不可欠なものであり、需要が途切れることがなく、安定している業種といえるでしょう。さらに、人工知能の導入によって治療や診察がスムーズかつ最適にできるようになっています。近年の高齢化が進む中、医療機器の需要は高まっていくと考えられます。
医療機器メーカーの将来性
医療機器メーカーの将来性は、テクノロジー革新や医療ニーズの拡大によりさらに期待されています。画像診断技術の進化やヘルスケアのデジタル化にともない、需要は確実に増加傾向です。とくに、感染症拡大や少子高齢化社会の問題、医療従事者の不足が医療機器の開発を急速に高め、新たなビジネスチャンスが生み出されています。また、十分に医療機器が行き渡っていない国や地域も多くあるため、需要がなくなることは考えにくいです。
医療機器メーカーは市場の拡大や発展の余地が大きい業界です。医療機器は今後も需要が途切れることなく、成長していくでしょう。
医療機器メーカー勤務で年収1000万を目指すコツ3選
医療機器メーカーの仕事に就くことで、年収1,000万円を目指すことは不可能ではありません。医療機器メーカー勤務で年収1000万を目指すコツを3つ紹介します。
- 現在の勤務先で業績を上げる
- 外資系の医療機器メーカーに転職する
- 大手メーカーに転職する
年収1,000万円を目指すことは誰にでも可能です。上記のコツを参考に年収アップを目指してください。
現在の勤務先で業績を上げる
現在の勤務先で業績を上げることは、年収アップの近道です。営業職は売り上げを上げる、プロダクションは新たな製品を開発するなど、それぞれの職種で結果を出すことは、給与やボーナスに反映されやすいです。また、業績を上げることはキャリアアップにもつながります。キャリアアップすることで、さらに新しいプロジェクトや責任ある仕事を引き受けることが増え、年収アップやキャリアアップの機会が広がります。
現在の勤務先で業績を上げることは、企業に良い結果をもたらし、自分の年収アップにつながるでしょう。
外資系の医療機器メーカーに転職する
外資系医療機器メーカーへの転職は年収アップを期待できます。外資系の医療機器メーカーは競争の激しいグローバル市場でビジネスを展開しています。そのため、優れた人材を求めており、年収も高い傾向です。外資系企業での経験はさまざまなプロジェクトの参加や新たなスキルの向上の機会が増え、自分のキャリアアップにつながります。
外資系医療機器メーカーで働くことは、年収アップが期待できます。そして、キャリアの新たな可能性を広げる機会になるでしょう。
大手メーカーに転職する
大手の医療機器メーカーに転職することで、年収アップを期待できます。大手の企業は、給与が高い傾向です。
大手メーカーで働くことは、先端技術の導入や大規模プロジェクトへの参加ができ、スキルや経験を大きく向上させます。また、大手企業は職員の教育プログラムが整っていることが多く、スキルや専門知識を確実に身につけていけます。大手医療機器メーカーでの経験は、キャリアアップや将来の年収アップにつながる可能性が高いです。
大手や外資系医療機器メーカーで年収アップ!転職を成功させるポイント5つ
大手や外資系医療機器メーカーに転職することで年収アップが期待できます。しかし、大手や外資系医療機器メーカーは、転職の競争率は高い傾向です。そこで、ここでは大手や外資系医療機器メーカーへの転職を成功させるためのポイントを5つ紹介します。
- 転職の理由を明らかにする
- メーカーや医療機器業界を研究する
- 転職先を選んだ理由をまとめる
- 能力を活かせる企業を選ぶ
- 自分の強みをアピールする
大手や外資系医療機器メーカーに転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
転職の理由を明らかにする
大手や外資系医療機器メーカーへの転職において、転職の理由を企業へ伝えることは必要です。転職を選んだ動機や理由を伝えることで、企業の採用担当者に自分のことをより深く知ってもらうきっかけになります。例えば、医療技術の進歩に魅了された、医療分野で社会に貢献したいなど、転職の理由をしっかり伝えましょう。さらに、自分のスキルや経験が製品の開発などに役立つことを伝えるとよいです。
メーカーや医療機器業界を研究する
医療機器メーカーへの転職において、企業・業界研究は不可欠です。企業の最新のプロジェクトや技術トレンドを把握していることで、面接や応募書類でアピールが可能になります。さらに企業の特徴を把握し、自らがどのように貢献できるかを示すことは転職で有利です。メーカーや製品について把握しておくことは重要なため、必ずメーカーや医療機器業界を研究しておきましょう。
転職先を選んだ理由をまとめる
大手や外資系医療機器メーカーへの転職では、企業を選んだ理由を説明することが必要です。自身の能力やスキル、経験などが企業に合うことを伝えましょう。他のメーカーを選ばず、貴社への入職を強く希望している、と伝えることがポイントです。就職後にどのように企業に貢献できるか、企業で挑戦したいことなどを考えておくとよいでしょう。
能力を活かせる企業を選ぶ
大手や外資系医療機器メーカーへの転職では、自分の能力を発揮できる企業を選ぶとよいでしょう。経験のある業種へは転職しやすいです。また、自分のスキルや専門性を発揮できる企業では、就職後にキャリアアップを望むことも可能です。能力を発揮できる環境で働くことで、仕事へのモチベーションが上がり、自分の強みを生かして企業に貢献できます。大手や外資系医療機器メーカーへ転職を成功させるためには、自分の能力を活かせる企業を選ぶことがよいでしょう。
自分の強みをアピールする
大手や外資系医療機器メーカーへの転職では、自分の強みを効果的にアピールすることが大切です。例えば、臨床工学技士や看護師は医療機器の取り扱いをしていた経験がある、他のメーカーで医療機器の開発に携わっていたなど、強みがある場合はアピールしましょう。
企業側は転職者の強みを知りたいと考えています。企業側は転職者の強みを聞くことで、自社で能力が発揮できるか判断します。自分の強みに企業が関心を持ってくれると、転職を成功させる可能性が高くなるでしょう。
まとめ
今回の記事では、医療機器メーカーへの転職を考えている人向けに、国内・国外の医療機器メーカーや職種別の平均年収、転職・転職に役立つスキルやポイント、医療機器メーカーの将来性について紹介しました。
少子高齢化や新型ウイルスの感染拡大にともない、医療機器業界はさらなる進化が注目される業界です。そして、他の業種に比べ平均年収が高い傾向にあるため、医療機器メーカーへの転職は人気を高めています。
医療機器メーカーでは専門的な知識が求められますが、未経験でも就職は可能です。そのため、年収をアップしたい、医療に貢献したいなど考えている方は、医療機器メーカーへの転職はおすすめです。記事の中で、医療機器メーカーへの転職を成功させる方法を紹介しています。参考になれば幸いです。