医師は副業が禁止されている?令和に生きる医師のかしこい働き方【保存版】

医者のキャリア

今、医師の副業は当たり前になってきています。しかし、所属する病院や医師の環境によっては副業が禁止されているケースも

そこで、本当に副業してもいいか、疑問が残るでしょう。たとえば、公務員は副業が禁止されているが、「国立病院や公立病院で勤務する医師はすべて公務員なのか?」などです。

ここでは、そんな医師の悩みを解消します。

スキルアップしたい方や、経験を活かしてより高収入が得られる副業がしたい方はもちろん、多様なニーズに合うさまざまな副業を紹介しています。たとえば、時間や労力を割く余裕がない医師や、在宅で働きたい医師に向けた副業です。

本記事を通して、医師の副業は可能なのか。また、おすすめの副業、副業についての注意点を解説します。

医師は副業が禁止されている?

まず、一般的に医師は法律や規則、風土的に副業をすることが可能かどうかについて解説します。

医師は副業が禁止か

結論から言いますと、医師は「職業選択の自由」に守られているので副業は基本的に可能です。

むしろ、地方の病院では副業によって経営が成り立っているところも珍しくありません。

医師免許を持っていれば、高い価格の副業をすることができるので、副業をしないことは機会損失とさえいえるでしょう。

副業が禁止されている環境

一方、中には法律や就業規則などで副業をすることを禁止されている医師もいます。禁止されている医師を下記にまとめているので、自分に当てはまるか、1つずつ見ていきましょう。

初期臨床研修医
初期臨床研修医は副業をすることは、法律で禁止されています。

医師法16条の3では、研修中は研修に専念することが定められています。副業は研修の支障になるという判断です。したがって、初期臨床研修医は副業ができません。
参考:厚生労働省「医師臨床研修に関するQ&A(研修医編)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/qa/kenshui.html

公務員
公務員は、副業禁止です。
しかし、公立病院だからといって、公務員とは一概には言えません。病院の法人としての分類によって、副業についての法律が変わるので注意が必要です。まず、法人には独立行政法人、特定独立行政法人、地方一般独立法人、地方特定独立行政法人の4種類があります。

このうち、下記にまとめているのが副業禁止の環境です。自分の勤めている病院の法人分類を確認しましょう。
独立行政法人
法人役員。
就業規則で副業が禁止されている場合。
それ以外の、一般の医師は問題ありません。

特定独立行政法人
法人役員も、一般職員も両方が副業禁止。
国家公務員の身分だからです。

一般地方独立行政法人
法人役員。
就業規則で副業が禁止されている場合。
こちらも、一般の医師は問題ありません。

特定地方独立行政法人
法人役員も、一般職員も両方が副業禁止。
地方公務員の身分だからです。」

参考:頼めるドクターPlus https://blog.tanodoc.com/category/money/

また、開業医は副業が可能です。

医師におすすめの副業

つぎに、医師の副業についての現状、目的別におすすめの副業、医師の副業の探し方について紹介します。

医師向け副業の時価総額

皆さんが気になる医師免許を持つ医師の時価総額は1万~1万2千と言われています。一般的な副業に比べてかなり高いです。

この金額を基準に副業の収入が高いのか、安いのかを比較するとよいでしょう。

医師の副業における形態と種類

大きく分けて、医師の副業には、単発と定期非常勤の2種類があります。

単発の副業
単発の副業は年末年始、休みの時だけ働きたい人にお勧めです。
面接をするところはほとんどなく、書類審査だけで採用されることがほとんど。さらに、時給が高い場合が多いです。しかし、いい仕事はすぐ埋まります
そのため、副業の募集サイトを何度も確認しましょう。

定期非常勤の副業
定期非常勤の副業は、継続して一定期間働きたい医師に向いています。診療の技術力向上や、ほかの病院の経営の仕方を学びたい医師には適しているでしょう。

また、自由な時間を優先したい医師は定期非常勤のみで働くという選択肢もあります。定期非常勤の特徴として、採用されるために、書類審査に加えて面接を受けることが必要です。

注意点は、週に32時間以上働くことで常勤医扱いになることです。勤務時間にはくれぐれも注意してください。

単発 定期非常勤
高単価 スキルアップ
書類審査のみ(一部面接があるものも) 面接による審査あり
人気の副業は取得が困難 継続して働ける
休み、長期休暇のみの勤務可能 自由な時間を確保(非常勤のみ)

医師が副業を探すときのコツ

医師専門の人材紹介会社を利用することをおすすめします。

無料で細かく条件を選ぶことが可能であり、求人数が多いなど、利点が多いです。いい仕事はすぐ埋まるため、定期的に募集サイトをチェックすることを推奨します。

忙しい医師が柔軟にできる副業

こちらでおすすめしているのは、本業が忙しい医師が医師としてのスキルを活用し、時短で勤務できる副業です。人気で競争が激しいものもありますが、在宅高単価な副業やスキルアップにつながる副業を紹介しています。

寝当直

楽に働きたい医師におすすめなのが寝当直です。寝当直は救急対応がほとんどなく、高い技術も必要ありません。募集数が少なく、需要はあるので人気の副業です。そのため、仕事を見つけることが少し困難。何度も、募集サイトを確認して獲得しましょう。

オンライン診療・健康相談

自由診療を中心にオンライン診療が進んでいます。メリットが多く、今とても人気の副業です。在宅ワークができるので、地域の制限に関係なく、勤務時間も自由。経験が増えるのでスキルアップにもつながるでしょう。

デメリットは、人気がある反面、競争率が高いことです。探し方はシンプル。ほかの副業と同様、副業募集サイトで調べることで見つけることができます。何度サイトまで足を運びましょう。

医療記事の監修

医療記事の監修も在宅で行うことができます。副業の種類は様々ですが、学びながら働く副業は本業が多忙な医師には厳しいでしょう。医者としての知識を活用できる医療記事の監修なら、ほかの副業に比べて少ない労力で取り組むことができます。

しかし、医療記事の監修は人脈からの仕事が多いので、仕事を見つける難易度は比較的高いです。

医師の経験を有効活用できる高額な副業

続いては、医師に向けた高額な副業の紹介です。高額な副業は医師免許取得後5年間以上の勤務経験を求める傾向にあります。しかし、金額の大きさや、インセンティブがあることも多いため、魅力の多い副業です。

医療系セミナー講師、企業や製薬会社から講演の依頼

医療系のセミナーや企業からの講演の依頼を受けるためには、高い実績が必要です。高価なものが多く、インセンティブがあることも多いです。専門分野で論文を発表した経験や、独自の研究を続けている医師におすすめ。

人手不足の地域での副業

人手不足の病院は地方を中心に多くあります。普通の病院よりも高い給料で募集されていることが多いです。医師として、スキルアップしながら、高い給料をもらえることがメリット。

自由診療(美容外科、美容皮膚科、脱毛)

美容外科や脱毛などの自由診療は、基本的な価格設定が高く、高い収入を得ることができます。

医師向けの副業を扱う募集サイト【無料】

具体的に副業を探す場所を紹介します。医師免許を持っている方に向けた専門サイトです。

「民間医局」

「マイナビdoctor」

細かく、条件を設定することができるので、時間や仕事内容など、自分に合う副業を探すことができます。無料で、利用することができるので、さっそく副業を探してみましょう。

医師が副業を行うときの注意点

医師が副業を行う上での税金や、病院に副業がバレるケースや、本業とのバランスについて解説します。

納税について

まず、医師の確定申告についての基本事項と注意点について説明します。

確定申告

基本、医師が確定申告をする必要はありませんが、副業をする場合と、給料収入が2000万円を超えるなどの場合は、確定申告をする必要があります。

確定申告は、前年1年で得た所得や税金を計算して、翌年の2/16~3/15までに確定申告書を提出することで税額の納付する制度です。

医師の場合、税金は給料から基本的に天引きされているので確定申告は必要ありません。

しかし、以下のとき、確定申告が必要です。

医師が確定申告を必要とする主なケース

  • 年間収入2000万円以上
  • 2か所以上の給与所得を得ている
  • 給料、退職金以外の収入が年間20万円以上
  • 医療費や住宅ローンなどの各種控除がしたい
  • ふるさと納税の納付先が6か所以上

「確定申告」について、詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
(参照:申告の流れ、申告が必要な方|国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/teishutsu.htm

副業がばれる原因と対策

副業がばれる原因について紹介します。

会社から納税額の増加を指摘される

会社は、給料をベースに所得税や住民税を計算しています。そこで、副業で稼いだ追加分の税額を、税務署から会社に伝達。病院の経理で計算した税額と税務署から伝えられる税額の差で副業がばれる可能性が高いでしょう。

税務署から無申告を指摘される

所得税は年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。ですが、住民税は副業申告20万円以下でも納税が必要

対策として、病院からの天引きで住民税を払う方法から、自分で住民税を直接支払う、「普通徴収」を利用することです。会社を通さず、自宅に住民税に関する書類送ってもらい支払う方法です。

ただし、住民税の「普通徴収」が認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。副業のために「普通徴収」に変更することは難しいでしょう。

第三者による密告

同僚からばれることもいがいと多いそうです。自分からはできるだけ副業について言わないほうがいいでしょう。

キャパシティを低めに見積もる

医師の本業と多忙で時間が取れないでしょう。常に副業と本業を考えるのはとてもつらいはずです。普段なんとか本業と副業を両立している状態では、繁忙期に体を壊すことにもなりかねません。

医師は自分のキャパシティを低めに見積もり、家が近くで、医師の知識と親和性の高い副業が両立しやすいでしょう。

医師免許にこだわらない副業

資産運用

株、不動産、保険、金融商品などを運用してお金を稼ぐ資産運用です。資産運用は法律的に副業に分類されないので、副業が禁止だったとしても行うことができます。

投資にはリスクがあるので抵抗がある医師も多いでしょう。その懸念もわかります。しかし、近年ではNISAやiDeCoなど少額からの投資も可能です。すこしでも興味を持っている方は少額から始めてみてはいかがでしょう。

施設運営

次におすすめなのは施設運営。不労所得を得続けることができるのが利点です。たとえば、老人福祉、薬局、駐車場の運営などがあります。運営が未経験で不安という方には共同経営も可能です。大きな初期投資が必要ですが、ひとたび、経営を軌道に乗せれば、大きなリターンが得られます。

まとめ

副業を通じてスキルアップや、収入を上げることで周りと大きく差をつけることができます。なかでも、在宅ワークや、医師としての経験を生かした講演がおすすめです。

そんな医師の副業にも注意すべき点があります。規則や法律で禁止されている環境であることや、本業に支障が出てしまわないよう、しっかりと規則や法律を確認しましょう。

本業とのバランスや、やりたい業務内容の希望に沿う副業など、ぜひ自分に合う副業を見つけましょう。

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