医師にもアルバイト枠があることをご存じでしょうか。
収入アップだけでなく様々なジャンルのバイトを経験することにより、自身のスキルアップにも繋がります。
そこで今回は、医師のアルバイトの種類や相場金額を解説します。
また、バイトの種類や高給与医師バイトを見つける方法もご紹介するので、参考にしてみてください。
医師アルバイトの2つの働き方
医師がアルバイトをする上で重要視する条件とは、「給与額」と「勤務内容」に関してです。
そして契約方法は2つに分かれます。
- 定期非常勤
- スポット
それでは、1つずつ説明していきます。
定期非常勤
継続して一定の期間アルバイトに入るという働き方です。
例えば「毎週〇曜日の当直」や「隔週〇曜日の午前のみ」など。
あらかじめ決めた曜日や日時で働く契約方法があります。
求人サイトで「非常勤」「固定勤務」「定期」などと表現されているものは、定期非常勤のことを指している場合がほとんどです。
スポット
スポットとは、臨時でその日だけアルバイトに入る働き方を言います。
「〇月△日の当直のみ」、「×月□日の検診時間だけ」など、定期で働くことはありません。
要はピンチヒッターのような役割と言っていいでしょう。
求人サイトでは「代診」「単発」などと表現されています。
医師アルバイトの種類・相場金額は?
医師のアルバイトはクリニックや病院などで仕事をするだけではありません。
大きく分けて9種類のバイトがあります。
- 検診
- 当直
- 病院やクリニックでの日勤
- オンライン診療
- 訪問診療
- 透析管理
- コロナ2019のワクチン接種
- 専門科目
- 自由診療
一度は耳にしたことがある仕事のはずです。
ひとつずつ、どのような仕事なのか説明していきます。
そして時給相場や勤務時間についても触れていくので参考にしてみてください。
健診
健診アルバイトは業務内容が決められています。
しかも健診は健康な人が受診するので、あまり精神的な負担がかかりません。
定期非常勤の医師だけでなく、スポットで応募も可能です。
ですので、ブランクのある医師は応募しやすい案件と言えるのではないでしょうか。
また、健診アルバイトにはいくつか種類があり、それによって健診場所も変わってきます。
学校健診・一般健康診断に加え、労働安全衛生法で定められている仕事に就いている人が受ける特殊健康診断がも対象です。
そして、応募案件の場所が院内なのか・出張先なのか・巡回なのかもチェックしておきましょう。
出張の場合は出張先だけでなく、交通費・宿泊費が全額支給になるのかも調べておいた方が良さそうです。
時給相場は約1万円、勤務時間は宿泊時の自由時間を除き4~6時間程度とされています。
当直
「当直」「宿直」「夜勤」などと、様々な言い方があります。
それぞれ少しずつ意味は違いますが、当直とは通常の時間外にシフト制・当番制で働く勤務形態のことです。
当直と聞くと、「とても忙しい」という印象を持つのではないでしょうか。
しかし、アルバイト先の医療機関によって業務内容も異なり、忙しさも変わってきます。
入院患者のいる総合病院や救急外来に対応している病院は、常に患者に対応しなければなりません。
救急外来に対応している病院の場合、休憩時間すらない可能性があります。
「忙しくてもいい、救急外来を通して自身のスキルアップに繋げたい」という方にとってはぴったりの案件です。
反対に、急患に接する機会もなく仮眠をとる余裕さえある「寝当直」と呼ばれる仕事もあります。
寝当直もごくたまにですが患者対応をしなければなりません。
いつでもどこでも短時間でも、良質な睡眠をとれる方には条件のいい案件ではないでしょうか。
当直バイトのメリットとしては、常勤とは違い残業がないこと。
さらに自分のスケジュールに合わせて働くことができることです。
気になる相場ですが、救急外来対応のある当直バイトは1回あたり約6~8万円と言われています。
寝当直の際の相場は約3~4万が妥当と言えるでしょう。
時給相場は忙しさによって差があり、5,000~1万円、勤務時間は13~14時間と言われています。
病院やクリニックでの日勤
病院やクリニックでの非常勤医師はアルバイト扱いです。
業務内容は常勤の医師とあまり変わりません。
病院やクリニックでもスポットバイトと定期非常勤とで募集がかけられています。
やはり定期非常勤の方が、スポットバイトより収入が安定するでしょう。
スポットバイトに関しては残業はほぼありません。
定期非常勤の場合は短時間の残業が発生する可能性があります。
どちらも時給制の仕事で、相場は大体の時給相場は約1万円です。
勤務時間は午前もしくは午後のみの場合は3~4時間、フル勤務なら7~8時間と言われています。
忙しいクリニックや人手がどうしても足りないという病院だと、時給1万3,000円で募集しているところもあります。
オンライン診療
コロナ渦でオンライン診療が注目されました。
家から病院へ行かずに診察してもらえるのであれば双方負担が減りますよね。
もしオンライン診療のアルバイトを始めるなら、厚生労働省のオンライン診療研修の終了証の提出が必要になります。
仕事内容としては、問診表の確認・診察・処方・カルテ入力と通常業務と変わりません。
自宅での仕事となるので、インターネット環境があれば好きな時間に好きなだけ働くことができます。
時給相場ですが、7,000~1万円と通常の外来業務と変わりありません。
しかし、勤務時間は好きな時間に好きなだけ働けるのでライフワークバランスも取りやすいです。
訪問診療
訪問診療バイトは、患者宅や老人ホームなどに自身が赴き診察をする仕事です。
訪問診療メインのクリニックが存在しており、クリニックのスタッフと患者宅へ訪問することになります。
慢性疾患患者を診察することがほとんどで、急変の際は対応可能な病院へ紹介することもあります。
将来的に訪問・在宅診療メインで仕事をしたいと考える方にとって、訪問診療バイトは予行演習にもできるのではないでしょうか。
もしくは外来とは違う視点で仕事をしてみたいなど、将来の選択肢を広げるのに良い案件と言えます。
そして、なんと言っても対応する患者数が外来に比べると圧倒的に少ないです。
ですので、ひとりひとりを丁寧に診ることができます。
ただ、訪問診療の際の移動は基本的には車です。
運転手がいるのか、自分で運転しなければいけないのかも確認しておきましょう。
外来医師のアルバイトと金額はそんなに変わりませんが、診る人数が少ない分ストレスは少ないかもしれません。
訪問診療バイトの時給相場は1万~1万2,000円と言われています。
勤務時間は7~8時間と若干短めのところもあるので探してみてもいいかもしれません。
透析管理
近年では糖尿病などの基礎疾患が原因で、血液透析をしなければならない患者が増加している傾向にあります。
透析バイトは、安定して定期的に透析クリニックに通っている人の透析管理になります。
透析専門病院・またはクリニックには、状態の悪い患者はほとんどいません。
また、常勤のスタッフは透析に関してはエキスパートばかりです。
バイト医師をフォローすることにも慣れているはずなので、そこまで気負うこともないでしょう。
仕事内容は透析前の回診や患者への対応がメインです。
拘束時間は外来とあまり変わりませんが、実働労働時間は比較的少なめと言えるでしょう。
時給相場は約1万円で、勤務時間は午前もしくは午後のみの場合は3~4時間、日勤は8時間勤務と言われています。
コロナ2019のワクチン接種
現在、コロナ2019のワクチン接種はワクチン接種だけが仕事ではありません。
外来も担当しつつ問診・ワクチン接種・状態観察の仕事を行っている病院が多く見られます。
ワクチン接種のみのアルバイトは1回目のワクチン開始直後は日給15万とかなりの高給与でした。
しかし、現在は外来や検診なども並行して行っている病院が大半です。
通常業務にプラスでワクチン接種も行うのですから、外来の日勤業務と比べると少し高めに設定されている案件もあります。
現在の時給相場は1万~1万2,000円、勤務時間は午前もしくは午後のみの場合は3~4時間、日勤は8時間勤務となります。
専門科目
自分の持つスキルを活かしたバイトができると良いですよね。
専門科目の例としては、眼科のコンタクト外来・消化器内科の内視鏡検診・産婦人科の内診などがあります。
コンタクト外来は眼底診察に慣れている医師でないと務まりません。
消化器内科では上下内視鏡のスキルが必要です。
産婦人科の内診の場合、産婦人科専門医のスキルが必須となります。
そういった専門のスキルが必要なアルバイトは、科目によっては時給が高めに設定されているようです。
時給相場は科目によって違います。
眼科や消化器内科が約1万であるのに対し、産婦人科は1万~1万3,000円と言われています。
産婦人科の場合は当直などのバイトも扱っており、1万3,000~1万5,000円が相場のようです。
勤務時間は午前もしくは午後のみは3~4時間、日勤は8時間勤務です。
もちろん産婦人科の場合は当直になると13~14時間となるでしょう。
自由診療
自由診療も需要が増えつつあり、人気の案件です。
案件内容としては、美容整形での診察前カウンセリングやAGA・脱毛のカウンセリングが主になります。
未経験の場合はしっかり研修期間を設けてくれるところがほとんど。
ですので、安心して業務に取り組めるのではないでしょうか。
自由診療は報酬が高いと思われがちですが、バイトの場合はそうはいきません。
実は一般外来のバイトとあまり変わらないか、少し値段設定が低い場合があります。
しかしその分、福利厚生が手厚くなっている可能性も高いです。
応募の際は詳細をしっかりチェックするようにしてください。
時給相場は9,000~1万1,000円、勤務時間に関しては基本は8時間勤務です。
しかし半日のみの勤務の案件も中にはあるので、興味があればぜひ探してみてください。
高給与の医師バイトを見つける方法は?
時給の良い求人サイトをに登録できたなら、さらに条件の良いバイトを見つけたいですよね。
実は、時給も条件も良いバイトというのは見つけるタイミングも大切です。
そこで、高給与の医師バイトを見つける方法を4つに分けてご紹介します。
- 盆・暮れ・正月の日当直
- 離島や医師不足地域の出の短期医療従事
- 直前急募を中心に探す
- 診療報酬が高い科目を選ぶ
高給与のバイトを見つけることは、そんなに難しくはありません。
それでは、ひとつずつ説明していきます。
盆・暮れ・正月の日当直
お盆・年末・正月は常勤医師が夏季休暇や冬期休暇を取るタイミングです。
その時期は病院内でもスタッフが足りなくなることがしばしばあります。
そこで、常勤医師が夏季・冬季の休暇を取る期間にアルバイトを募集することがあります。
遅くても2~3か月前から求人サイトをチェックしておきましょう。
早ければ早いほど条件のいいバイトと巡り合うことができます。
ただ、詳細を見て条件がいい案件だと思ったらすぐに応募しましょう。
でないと早めに募集が打ち切りになり、応募すら叶いません。
年末年始で救急外来対応の当直バイトだと、12~18万とかなりの高額バイトも存在します。
自分の休暇のタイミングをずらして、高給与を手に入れましょう。
離島や医師不足地域での短期医療従事
全国的に医師不足は否めません。
そんな中、医師不足地域での短期医療従事のアルバイトが存在しています。
首都圏周辺だと、都内から少し距離のある千葉県や埼玉県の時給が少し高めに設定されています。
そして僻地になればなるほど医師不足は深刻な問題です。
本州から離れた離島などでもバイトを募集しており、その際の時給はかなり期待してよいとされています。
離島となると医師は少なく、若者より高齢者の方が多いです。
住民全員へ対応するにしても、時間が足りません。
ましてや足の悪い患者もいるので、その場合は自宅へ訪問することになります。
従事している期間の交通費・宿泊費は、すべて支給される案件がほとんどでしょう。
忙しさが苦ではないのなら、チャレンジしてみてもいいかもしれません。
直前急募を中心に探す
直前急募とは、名前の通り早急に人員を補充しなければいけないという案件です。
早急ということは翌日の可能性もあります。
そのような案件の場合は時給が高く設定されており、時給2万円の案件に巡り合えることも夢ではありません。
直前急募の案件を中心に仕事を探すなら、スケジュールはできるだけ空けておく必要があります。
ただ、必ずしも直前急募の案件を受けることができるという訳ではありません。
安定して収入を得られないことをしっかりと理解しておきましょう。
診療報酬が高い科目を選ぶ
診療報酬が高いということは、支払われる報酬も高くなる傾向があります。
科目別に調べてみると、やはり内科の診療報酬はほかに比べると高いです。
さらに、内科の中でも人工透析を専門としているのか、在宅をメインに取り扱っているのか。
こうした違いによっても診療報酬は変わってきます。
内科以外で言うと、外科や泌尿器科・整形外科など検査を要する科目は比較的高めです。
もちろん、バイトとして働く上で自分の得意分野を活かせるのであれば診療報酬が高い科目で働くのが良いでしょう。
まとめ
今回は、医師アルバイトの時給相場や高給与医師バイトの見つけ方を紹介しました。
医師のアルバイトの相場は総じて1万~1万5,000円と考えてよいでしょう。
ただ、寝当直のように実労働時間が少ないと想定されるバイトは少し時給設定が低めのようです。
医師のアルバイトは1種類だけではありません。
自分に合ったバイト内容で、無理なく楽しく仕事ができるといいですね。